記事No.42 へのコメントです。
宮本は、RF900Rにふさわしいダイヤモンドフレームをデザインするにあたり、ウィッシュボーンにエンジンが置けるようボディフレームの内側にエンジンを積めるようにした。そうすることが剛性を犠牲にすることなくエンジンをマシンのセンター近くに配置する近道であることに気がついた。この結果RF900Rのライダーに完璧なフィット感を提供することができたのである。シャーシエンジニアは圧延スチール構造を採用し、フレームの各セクションに対して最適なカタチの断面を追求した。さらに彼らは、この技術によって岡本が当初考えていた燃料タンクとボディをマッチングさせる曲線ラインのデザインにも貢献したのである。彼らは、FEMコンピュータ解析をし、重量を抑え、優れた側面強度とねじり強度を満たしたデザインを完成させた。ダウンチューブがなくなった代わりに、エンジン本体が強度メンバーの役割を担った。低位置で、それもステアリングヘッドに近いところに置かれ、そうすることで最適な重量バランスが実現したのであった。シャーシデザインが完了したからといって、仕事が終わったわけではない。フレーム自体を形成する道具さえも一からつくらなければならなかった。ボディと他の部分の仕上げやペイントがスムーズに行くように、取り付けられた金属部品を丁寧に溶接しなければならなかった。こうした裏方的な作業も宮本のチームは完璧にこなしていった。
RF900Rの洗練された優雅さを纏ったダイヤモンドフレームは、まさに彼らの芸術的とまでいえる技の結晶である。 [ この記事にコメントを返信する ] [ 原文引用 ]