記事No.38 へのコメントです。
宮本がRF900Rの開発プロジェクトに参加することになったとき、彼の脳裏に浮かんだのは、軽量で、しかも高速で安定した、常に快適なマシンだった。シャーシエンジニアである宮本とその仲間は、RF900Rを単に機能的な部品の集合体としてつくり上げるのではなく、それぞれの部品をうまく統合させたひとつのマシンとして完成させることに重きを置いた。誰もが、最初のプロトタイプは純血のサラブレッドと呼ぶにふさわしいものにしたいと願っていた。RF900Rが、高速道路での走行や高速ターンの際に見た目には際立った走りを見せたとしても、実際のステアリング感覚はレーサーレプリカに比べて極力おとなしいものにする必要があった。宮本は、キャスターを24度30分、トレール99mmというごく一般的なステアリング設定とした。また、路面からの衝撃を吸収するためにインナーチューブ径φ43のカートリッジタイプのフォークとアジャスタブル・ガスチャージ・ショックを。また、重量を抑えるためにアルミニウム・スイングアームなど、トップグレードのサスペンション部品を採用した。それらのパーツをまとめ上げるためのデザインの中心は、ダイヤモンドフレームだった。
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