記事No.33 へのコメントです。
改行:適せん全半角:ダブルクオーテーション(”)とセミコロン(;)を迷いましたが、全角にしました
その他:かなや句読点など原文に忠実(の、ハズです……)
#ピリオンライダーってなんでしょうかね……??
岡本の同僚がある水族館を訪れたとき、一匹の生物に目がいった。
デザイナーである彼は、その生物、”エイ;Stingray”の
水中を滑るように泳ぐ優雅さと、滑らかさに魅了された。
彼は即座にスケッチを描くと、その何枚かを社に持ち帰り、岡本に見せた。
岡本も、その有機的なフォルムに魅了された。
すぐに彼は、スケッチから得たイメージを発展させる作業に取りかかり、
アイデアはだんだんと具体的なカタチになっていった。
そのときのアイデアが、RF900Rの誕生に大きく関わってゆくのである。
デザイナーという職業は、元来、モノの”カタチ”と、
それが機能する理想の”バランス”をとことん追求する職種である。
また、新しいデザインを生み出すために、ごく身近なもの、特に
”自然”の中からヒントを得ようと、探求に探求を重ねてゆく。
岡本とその仲間も、当然のごとくそうした作業に没頭した。
彼らは、海で生きるために翼をもった生物”エイ”を深く理解するために、
まるで外科医のように分析し、その形態を探っていった。
そうした作業から芸術ともいえるボディ各部のデザインが考え出され、
そのボディラインは全く新しいボディワークとして表現された。
誰もがモーターサイクル愛好家であるRF900Rデザインチームは、
スタイリングは流体力学とは別の意味で性能を強調する、
機能的なカタチでなければならないという点で一致した。
また、ライダーとピリオンライダーがエアポケットに包み込まれるような
流体構造をしていなければならない、という点でも同じであった。
彼らは、デザイン作業を進めていく過程でレイアウトエンジニアと
密接な関係をとっていったのである。
RF900Rの開発にあたり、ひとつの注目すべき要素として
フレームの表面処理があった。
岡本は、フレーム表面は継ぎ目のないボディワークとし、さらに
ボディと同色のペイントを施し、表面のざらつきをなくした。
そこで、モノトーンカラーの使用を決定。
選ばれたカラーはレッド。
岡本は、これを「クラシックロードスターのようだ」と語った。
彼が目指すデザインの最終ゴールには、単にショールームで見栄えする
デザインではなく、たとえ十年走り続けても引き立っているデザインがあった。
傾斜したウインドスクリーンからフェアリング側面の
エア・アウトレット・フィンまで。
RF900Rは、当初のコンセプトに忠実にデザインされた。
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